WikinoとCosense (Scrapbox) の似ているところと異なるところ
先日、Wikino (ウィキノ) というWikiアプリのベータ版をリリースしました。
Markdownで書けるCosense (Scrapbox) のようなものが欲しくてWikinoを作りました。
Cosenseの思想はとても好きで参考にしたところも多いですが、個人的な好みに合わせて調整した部分もあるので、そのご紹介をします。
似ているところ
リンク記法でページが作成・関連付けできる
記法は異なっており、Cosenseでは [ページタイトル]
、Wikinoでは角括弧二つで囲んだ [[ページタイトル]]
でページ間のリンクを作成します。
Markdownエディタでは [[ページタイトル]]
が一般的なので、それに合わせています。
日付と投稿者が表に表示されていない
Cosenseはページの右横にある i
というアイコンをクリックするまで日付や投稿者がわからないようになっています。
Cosenseがどのような考えでそうしているのかはわかっていないのですが、個人的にも以下のような理由でページのファーストビューに表示されなくて良いかなと思っています。
- Wikiは同じページを継続的に更新するため、投稿日より現在の内容の質が重要
- 投稿者情報を前面に出すと良くも悪くも記事が属人化する傾向がある
- 「この人が書いた記事だから手を出さない」という遠慮が生まれ、共同編集が阻害される
- (Wikinoはまだ共同編集できないですが…)
- 「この人が書いているから信頼できる」という判断は、内容そのものの検証よりも著者の権威に依存してしまう
- 「この人が書いた記事だから手を出さない」という遠慮が生まれ、共同編集が阻害される
Wikinoは誰がいつ書いたかより、何が書かれているかを重視するようにしています。
異なるところ
用語
Wikino | Cosense |
---|---|
スペース | プロジェクト |
トピック | (存在しない) |
ページ | ページ (これは同じ) |
「プロジェクト」より「スペース」のほうがふんわりしたニュアンスで、作成するときどんな名前にしても良さそうだと思い採用しました。
トピックの存在
Wikinoにあるトピックはブログのカテゴリーのようなもので、同じスペース内で複数持つことができます。
トピックにはインターネットに公開される公開トピックと、公開しない非公開トピックの2種類が存在します。
複数人での利用時にグループやチームごとにトピックを作成し、必要なトピックにだけ参加できるようにしています。
また、別のトピックであれば同じタイトルのページが作成できます。
チームごとに同じような情報を管理するとき便利かなと思い用意しています。
文書の記法
WikinoではMarkdownをサポートしています。
書き慣れていることと、Markdownをサポートしている他のサービス (GitHubなど) へのコピペが簡単なためです。
ページの内容をその場で編集できるかどうか
Wikinoでは閲覧と編集の画面を分けています。
間違って編集してしまう不安がなく、閲覧がより気軽にできると考えています。
エディタがWYSIWYGかどうか
Wikinoではプレーンテキストエディタを採用しています。
コピペしやすく、編集中に記法が出たり消えたりしないのが好みです。
差分表示もプレーンテキストのほうが扱いやすい印象があります。
ページURLのフォーマット
Wikinoではスペースごとの連番をIDにしています。
画面共有時にIDを口頭で伝えやすく、日本語URLの文字化けにより他サービスに共有した際のリンクが機能しなくなる問題も回避できます。
ソースコードの公開/非公開
WikinoはソースコードをGitHubで公開しており、(頑張れば) セルフホストも可能です。
https://github.com/wikinoapp/wikino
ここに挙げていない点は単に機能が足りていないか、考えが及んでいないだけかと思います。
Wikinoのコミュニティなどでご意見頂けるとありがたいです。